研究者:Feng Chao-Hui
私の研究テーマは食肉素材開発と迅速な安全検査技術の開発です。
ソーセージは、簡単に準備のできる食事として、人々の日常生活の中で重要な役割を担っています。ソーセージ詰めのなかに発生するバーストは、効率的なソーセージ生産の妨げとなっています。
これらの問題により、肉食産業では、侵襲的な方法から、より新しくより非破壊的な技術による製品の検査方法への移行が進められようとしています。
これらの図は私の以前の研究成果を示しています。これは、LWT-Food science and technologyで出版されたソーセージの断面の光学顕微鏡画像です。(a)はなまたいしょう、(b)は浸漬真空冷却ソーセージ対照、(c)は浸漬真空冷却ソーセージのケーシング改造です。(c)から分かるように、界面活性剤溶液と乳酸を使って改変した後のケーシングはより多孔性になり、ケーシング構造の内部にいくらかの脂肪も埋め込まれました。 これは、ソーセージの製造中に発生する圧力を解放し、最終的には製造の効率を向上させるのに有効でした。
しかし、この研究はケーシングの改造によってのみであるため、それ以外にも、ソーセージの品質と貯蔵寿命についての研究が不可欠です。これは私が今後実施したい研究テーマです。
上の図は、東京大学で実施した研究の結果を示しています。a〜cからわかるように、貯蔵日の異なるサンプル(つまり、0日目、16日目、57日目)の違いを区別することはできません。 しかし、赤色分布図の視覚化に基づいてその違いを容易に見ることができます(d〜f). この研究は現在、Journal of the Science of Food and Agriculture(Feng, C. H., Makino, Y., Yoshimura, M. & Rodríguez-Pulido, F. J. (2018). Real-time prediction of pre-cooked Japanese sausages colour with different storage days using hyperspectral imaging. Journal of the Science of Food and Agriculture, 98, 2564–2572 ) に掲載されています。
理化学研究所にて基礎科学特別研究員として、今後の研究構想は、「テラヘルツイメージに基づく新しい革新的ケーシング配合物に詰め込まれた調理済みソーセージの評価のための研究作業」です。本研究では、ミンチ肉を原材料とするソーセージを試料として研究を行い、テラヘルツイメージ分析によるタンパク質、水分、ph、色などの食肉加工品品質の非破壊判定法について検討します。こうして、テラヘルツの応用分野を新しい食料に拡大してきます。