理化学研究所(理研)光量子工学研究センター テラヘルツイメージング研究チームの保科 宏道 上級研究員はテラヘルツ(THz、1THzは10の12乗ヘルツ)[1]照射が細胞膜の相転移[2]を誘起する現象を発見しました。

本研究成果は、今後のTHz周波数利用の安全性評価や、THz波のバイオ・医薬応用に貢献すると期待されます。

保科上級研究員は、THz波の生体影響のメカニズムを解明するため、THz波照射下の細胞膜を対象に、細胞膜分子の拡散係数の測定や、脂質二重膜[3]の相状態の観測を行いました。その結果、0.1~0.3THzのTHz波の照射が、細胞膜を構成する脂質二重膜を秩序相[4]から無秩序相[4]へと「融かす」作用があることや、細胞膜の拡散速度が速くなることを発見しました。

問い合わせ先:

理化学研究所 光量子工学研究センター テラヘルツイメージング研究チーム 上級研究員 保科宏道

プレスリリース:テラヘルツ波が細胞膜の相転移を誘起-非熱効果のメカニズム解明へ-